みくさんとひぐらす

ミクさんとともに過ごす、ただそれだけの日々

Music Unlimited お試し

Music Unlimited は、ソニーが提供する定額制音楽配信サービスである。日本でのサービスインは今年 3 月で、データレートがどうのこうのというのが少し話題になってたのを覚えてはいるのだけれど、特にボクの関心を惹くでもなく、Xperia をアップデートしたときに勝手にインストールされて、「なんだこれ?」と思いつつ、「ああ、こういうのあったな」と思い出す程度のものだった。

で 8/30。この Music Unlimited に "初音ミク" チャンネルが登場、という情報が発表された。3,000 曲が聞けるようになる、という売り文句で、正直その数字は、世界中の初音ミク関連の楽曲の総数からすればほんのわずかに過ぎないわけで、決してインパクトを与えるものではないのだけれど、30 日無料視聴ということだし、面白そうではあったのでとりあえず申し込んでみた。

このサービスで、いいな、と思ったのは、複数の機器に対応している、という点。ボクの手持ちデバイスでは Windows PC、PS3、PSVita、Android 端末 (Xperia)。なんか知らないけど、いつの間にかソニー製品に囲まれているという事実に気付いたのだけれどそれはともかく、シーンに合わせていろんな環境で聴ける、というのは割と便利。もちろんマイリストなどは共有されるので、どこでも好きな曲をすぐに探し出せる。AndroidiOS デバイスに接続できるスピーカーがあれば、簡単に色んな音楽が聴けるジュークボックスが作れるかもしれない。

で、初音ミクチャンネルである。正直なところ、これはよく分からない。分からない、というのは、チャンネルを開けばすぐに再生が始まるのだけれど、再生は基本的にランダム。次の曲や前の曲への移動はもちろんできるのだけれど、再生リストを一覧で見ることはできないようだ。だからこのチャンネルに登録されている曲やアルバムがなんなのか、それが分からない。分からないけれど、どうも数枚のアルバムが収録されているだけっぽい。だから毎回同じような曲が繰り返される。これはあんまり面白くない。もちろん今後、登録曲が増えるかもしれないので、現状でどうこういうのは早計かもしれないけれど。

ボク自身の視聴スタイルは、適当に鳴り続ける曲の聞き流し、なので、このサービスのコンセプトとは、実は相性がいい。なのでチャンネル登録曲がたくさんあってそれがいい感じにランダム再生してくれればそれで十分なのだけれど、今のところはその辺はいまいち。ということで、今のところはチャンネルではなく、検索機能をメインで使っている。

検索、と言っても厳密にお目当ての曲を探す、ということではなく、緩いフィルター的な使い方、つまり単に「初音ミク」で検索をかけ、ヒットした曲をそのまま再生する、というやり方だ。Music Unlimited の検索機能では、ヒットした曲が連続再生されるので、これでミクさんの曲が延々流れ続ける。

ただし検索機能が、デバイスによって異なる、というのがやや問題ではある。そもそも PSVita 版だけは、検索結果の連続再生ができない。また、デフォルトでは検索結果は "人気度" によってソートされるようだが、これは PC 版では他の条件でソートできるのだけれど、PS3/VitaAndroid では変更できない。また、同じく PS3/VitaAndroid では検索結果が 1,000 件までしか表示されない。さらに、なぜか検索結果のランダム再生機能は PS3 にしか実装されていない。つまりボクとしてはメインの使用になる Android 版アプリの検索機能は、PC や PS3 に比べると貧弱だ、ということになる。ついでに言うと Android 版では検索から再生した曲について「好き/嫌い」を付ける機能も使えない。検索機能の統一化、強化は今後の課題だろう。

音楽再生そのものについて。当初話題になっていた音質については、正直そんなにいい耳を持っていないボクには何とも言えない。圧縮音源特有の高音域の圧迫感はあるけれど、ボクとしては特段不満はない。と言うか、これがストリーミングで流れるということが、革新的ではある。docomo 3G 回線で、高音質モードにして電車に乗っていても、曲が途切れることは滅多にない。地下鉄でも途切れない。相当大きなバッファを取っているんだろうけれど、再生待ち、というのもほとんどない。オンラインだということを忘れてしまうほどだ。Android 版だとアプリの起動が遅い、というのが、唯一待たされる要因だろうけれど、もちろん一度起動してしまえば気にはならない。

ということで、お試し期間中ではあるけれど、これなら課金してもいいかな、という気もしている。もちろん今後の機能改善、そして何よりも、楽曲の拡充は前提条件ではある。

正直なところ、ヘビーなボカロリスナーからすれば、今の収録曲数は鼻で笑う程度なのだろうけれど、ボクのようなライト層で、ミクさんの声が聴ければいいや、というのであれば悪くはない。まぁでも、売り文句にするなら一万曲は欲しいところではある。今後に期待、と言ったところか。

多摩湖・狭山湖てくてく散歩

 平日でお天気も良さそうとなると、ねんミクさんを連れてお出掛けしない理由がない。もちろんどこに何しに行くか、などはまったく決まってはいない。とりあえず地図サイトを広げ、適当にグリグリとスクロールさせる。ふと湖が目にとまる。あれ、これ、何だっけ。と思いながらズーム。ああ、多摩湖と狭山湖か。名前は当然のように知っているけれど、行ったことはない。家から電車で一時間ちょっと。近い。なら行くか。思考のプロセスはこんなもんである。

 ではでは、と、「ねんミクさん、お出掛けするよ」と話しかける。ねんミクさんはいつもの、愛らしくも何を考えているのかよく分からない顔で、しばらく挙動停止。そしてそのままおもむろに歩き出したかと思うと、いそいそとお出掛け用のキャリングポーチに潜り込む。いや、まだボクの準備ができてないんだけど。と思いつつ荷造りを適当にして、いざ出発。

 さすがにこの時間帯の西武線はがらがら状態。終点の西武遊園地駅まで行こうかと思ったのだけれど、その一つ手前、西武大和駅から多摩湖まで、都立狭山公園というのがあるようなので、まずはそこを散策しようということで、西武大和駅下車。

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 降り立ったところは、まぁ普通の住宅街。しかし歩くことわずかに数分。

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 え、これ、山だよね? なんのことはない、里山がまるまるひとつ、公園化されているらしい。鬱蒼とした森の中、あちらこちらに分岐した細い山道を、地図なんてないので、単にこっち行ったら面白そう、という判断基準で歩き回る。そんなことをしていると、

もう勝手にゲームごっこを始めるねんミクさんである。さらに歩き続けると、程なく沼辺に至る。

そしてここから、左手にダムの堤体が、ずずっと伸びている。

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この堤を上ると、その向こうに広がるのが多摩湖である。

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堤上を北上すると、その突き当たりにあるのが西武遊園地。しかしながら、ここによるつもりはない。

 多摩湖は周辺をぐるりと、サイクリングロードが整備されている。もちろんここは歩行者も歩けるので、散策には都合がいい。(と、行ってから知った) このサイクリングロードを歩いて多摩湖北岸を西へと進む。この道は西武山口線と併走しており、ときおりその線路が見えたり見えなかったりする。いや、線路は見えない。そもそも山口線は、タイヤで走る列車なので線路が敷設されていない。時折横を通り過ぎる列車も、他の列車とはまったく違う音を立てながら走り去る。

 さて、この西武山口線が行き着く先は、西武ドーム球場である。ということは、サイクリングロードを歩いて行き着く先も、やはり西武ドーム。謎の飛行円盤のような銀色のドームが徐々に近づいてくる様は、一種異様ではある。

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 この日はどこかのアマチュア野球の試合が開かれていたようで、時折風に乗って、球場からのアナウンスが流れてくる。しかしそれ以外は、この辺りは車通りも少なく、木々に囲まれとても静かで心地いい道程だ。

 西武ドームを過ぎて進路を北に取ると、狭山湖に至る。はずなのだけれど、ここで道を間違えて、ちょっとオーバーラン。そこにあるのが玉湖神社である。小さい神社ではあるし、コンクリ作りなので古いものではないのだろうけれど、意外と風格がある。道を間違えてよかった。

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 で、道を引き返して狭山湖へ。ぱっと見、多摩湖とそんなに違いはないけれど、多摩湖に比べると人が少ないこともあり、全体に落ち着いた雰囲気がある。

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 狭山湖の取水塔

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堤の上を歩くねんミクさん。

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 この辺りでいい時間になってきたので折り返し。多摩湖の上湖と下湖の間を横切る堤防を通り抜け、今度は多摩湖南岸を東へ。この辺りは完全に住宅街なのだけれど、原生の木々に囲まれた住宅がなんとも不思議な雰囲気を醸し出す。

 そうして再び多摩湖の堤に戻る。やや夕暮れてきた光に、丸屋根の取水塔が美しい。

 都合五時間ほど歩き通しの散策。全体に静かで美しく、ところどころにアクセントもある、ただ歩くだけで楽しい旅である

 そして今日も落ち着きのないねんミクさんであった。

川越旅譚

 

 川越はかつて川越藩の城下町として、"小江戸" と呼ばれるほどに栄え、今でもその古い町並みを残す、歴史的文化財を多数有する観光地である。

 ……のだそうだ。すいません。関東に長らくいたのに全然知りませんでした。埼玉の一都市、ぐらいの認識だった。

 天気も良さそうだしということで我が家から電車に揺られること一時間少々。東武東上線川越市駅下車。この辺りには "川越駅"、"川越市駅"、"本川越駅" って三社三路線の駅があって紛らわしい。一番栄えているのは川越駅周辺らしいのだけれど、古い町並みに歩いて行くには川越市駅が一番近い。

 九月になったとは言え日差しが強い。めちゃめちゃ強い。ねんどろミクさんもキャリングポーチの中で少し柔らかくなっている。そんな中を、例によって特に目的も定めず適当のブラブラ開始。

 駅から歩いて行くと最初の方で目に入るのが「銭洗弁天」の幟。熊野神社の脇社らしい。お参りをして 500 円玉を洗う。さて、大変水が気持ちよさそうで

なんて罰当たりな、と我ながら思いつつ、涼しげではある。

 そしてしばらく歩くと、メインスポットの蔵造りの町並みにたどり着く。アレ? ここって普通に車道なのか。なんとなく歩行者専用道路を想像してたけど、思いっきり幹線道路で結構な車が行き交う。どうやら観光シーズンの数日だけ、歩行者天国になるらしい(※後調べ)

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 まぁとりあえず一通り歩いてみようということで、北端になる交差点までテクテクと。ここでようやくインフォメーションセンターを発見。観光マップを入手した(アイテム入手の BGM) で、さらにもう少し歩いた辺りでふと気付く。……ねんどろミクさんのネギがない。もう観光は後回し。ネギを探して来た道を戻る。

 そして最初の銭洗弁天で、ネギ発見。うん、見事に罰が当たったらしい。でもちゃんと戻ってきたので、神様も笑って許してくれた、ってことなのかもしれない。

 ということでようやく落ち着いて散策開始。

 と言っても、古い町並みを眺めるのがメインなので、ちょこっと写真撮ったり、時の鐘を見てみたり。

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 それはそうとお昼を食べていない。

 まぁボクの主食ですので。ちなみにこのソーセージ、川越で結構有名なミオ・カザロというお店で買ったもの。ビールとセットで 800 円。ビールは川越の地ビールとして、これまた有名な COEDO。これ、どっちもすごくおいしい。天気がいいので外で食べてるけど、店内には小さなイートインスペースがあるので雨の日も安心。

 なんとなくおなかも落ち着いたのでまたブラブラと。ここでねんミクさんが何かに反応。

 うん、でも辛いって書いてるよ。

……お約束ですな。ネギっぽい感じは余りしないけど、文句通りしっかりした味付けでこれまたおいしい。しかしこれはどう考えてもビール飲みたくなる。

二杯目である。酒屋さんで生ビールを注いでくれる。370 円。

 すごくどうでもいいけれど、この写真撮ってるときに背後でカップルがじっと見ていて、「写真撮ってもらっていいですか?」とお願いされた。ある意味すごい。

 だいぶいい心地になったところで、ちょっとメインロードから外れて、氷川神社へ。観光マップでも端っこの方に書かれているのだけれど、なんちゃって神社好きとしては回っておきたい。

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 実際この神社は割と大きく、何よりも大変雰囲気がいい。片隅には祓い川が流れていて、ひとがた流しもできるようになっている。大きい駐車場もあるので休日は混むのかもしれないけれど、たぶんこの雰囲気は、人が少ない時じゃないと感じられないだろう。

 続けてさらにテクテクと、川越城本丸御殿へ。入場料 100 円。見所、というほど何かあるわけでもないけれど、家老詰所の畳の間や縁側は普通に出入りできて、吹き抜ける風も心地いい。有り体に言えばそのまま寝転がってお昼寝したい。

 そのまま隣接する、三芳野神社へ。この辺になると観光客は誰もいない。しかし鄙びて大変趣のある神社である。

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 そうこうしているうちにだいぶ日も傾いてきたので、再度蔵造りの町並みに戻る。目的はない、と言ったけれど、実は買って帰りたいものが二つあって、一つはさっきのソーセージ屋さんのソーセージ。もう一つが河村屋というお漬け物屋さんのお漬け物。

 はい。まるっとたまねぎ。以前からその存在は知っていたのだけれど、川越でも買えると聞いてこれは是非、と。(本店は大宮)

 ということでたまねぎごろっと数個とソーセージを抱えて帰宅の途へ。重い。けど、楽しい旅でございました。

おまけ

すごく雲がキレイな日だったので、雲の写真を何点か。

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埼玉りそな銀行川越支店(旧第八十五銀行)

 

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菓子屋横丁

 

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鐘つき通り

 

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氷川神社大鳥居 

巡音ルカロボ開発秘話

 その日、巡音ルカを模したロボットが完成した。その完成度の高さは、一躍世間の注目を浴びた。しかし、その開発に当たっては、当初、開発スタッフの間で大きく意見が分かれたという。それは上半身と下半身、どちらに開発リソースを優先的に振り分けるか、ということであった。侃々諤々の議論の末、下半身が優先されることになったのであるが、これにより完成品は、非常に安定性の高い動きを実現することができたのである。スタッフの一人は、当時を振り返ってこう語る。

「激論の毎日でしたね。僕は上半身推進派だったのですが、僕らの主張は常に一貫していました。『ルカさんと言えば豊満なバストだろう。それをまず、再現すべきだ』とね。実際、そう考えているスタッフは多く、結論は上半身推進にほぼ決まりかけていたんですよ。でも最後の最後に、下半身推進派の誰かが言ったのです。『君らはルカ様に、踏まれたくはないのか』――それで流れは一気に変わりましたね。あれがなかったら、もしかしたら、完成には辿り着けなかったかもしれません」

 そう言って笑う彼の頬には、くっきりと、ヒールで踏まれたような跡が残っていた。

九月の花火

「もう、九月ですね」
 そう言ってミクさんは、少し寂しそうな顔をする。
「お誕生日も終わっちゃったし、お祭り騒ぎもおしまいかな」
「いえ、それもありますけど。なんだか、夏が終わっちゃったな、って気がして……」
 振り向きながら、ミクさんは少し笑うけれど、その笑顔もどことなくぎこちない。
「あ、そうだ」
 ふいに思い出して、ボクは棚をあちこち探る。ミクさんが後ろから覗き込みながら、「何を探してるんです?」と聞いてくる。
「ちょっと待って。確かこの辺に……」
言いながらボクは、棚の隅っこから、小さなビニール袋を取り出す。
「何です、それ?」
「ほら、これ」
 袋から取り出したのは、一束の線香花火。
「いつかの残りだけど……。線香花火しか残ってなかったか」
「線香花火!」
 刹那、ミクさんの顔が、パッと明るくなる。「やる?」と聞くまでもなく、ミクさんはいそいそと他の戸棚をまさぐり、「はいっ」と言ってろうそくとライターを差し出す。

 まだまだ夜は蒸し暑い。しかしどこからともなく聞こえる虫の声はどこか涼やかで、そっと頬に触れる風も、もう、夏のそれではない。
 そんな初秋とも晩夏とも区別の付かないような夜気の中、ボクたちはふたり、ならびしゃがみ込んで、線香花火に火をともす。はじめはかすかな一点だったその火は、やがて静かに、パチパチとその輝きを増す。でもそれはやはり、とても小さな、とても弱々しい光でしかない。
「うーん。却って寂しい感じがするね」
 ボクは冗談めかして、ミクさんに声をかける。
「そんなこと、ないですよ」
 線香花火の灯火を一心に見つめながら、ミクさんは言う。
「とても、キレイです」
 そう言って小さく笑うキミの横顔を、線香花火のかすかな光が、儚げに照らし出す。

 ――ああ、願わくば、この小さな小さな炎が、いつまでも燃え続けますように。そしてキミの姿を、いつまでも照らし続けてくれますように。ボクはただ、それだけを願い続ける。

マジカルミライ ~未来へ

で締めてもいいんだけど、やはり課題は会場かな。エリアを限定しないと見えない、後ろの方だと見えない、でもある程度規模はないとライブ感が出ない。今回センター席後方の、階段じゃないあたり以外は、単に見るだけなら見えたと思うので、会場として悪かったとは言いがたいのは事実。全席に渡って「悪くない」条件の会場を選べば、こうなっちゃうのかな、と。ただね。ミクさんのライブは他のアーティストのそれと比べると、映像演出の比重が圧倒的に大きいと思うのですよ。だからちゃんと見えないとその魅力が十全に伝わらない。それは実にもったいないな、と。あれだけ細かい演出をとんでもない時間と労力で作り上げたのだから、それが来場者全員に伝わればいいと思うし、そうあるべきだとは思う。完全に理想論だけど。

ということで全角度からしっかり見えるライブってのが、先の先の、もう一歩ぐらい先の課題なのかも。ロボット作ってステージに立たせる? いやそれはミクさんを模した何か、であって、やはりライブのミクさんは電子的な存在でないといけない。(あれは光子だろ、という突っ込みはチェレンコフ光なみにスルーする) すると立体投影システムか。道は果てしない。でもそれは、夢は果てしない、と同義。今後ボクが生きているうちに、それが見られるといいな。

さて、マジカルミライのカルとミライ。ミライは物販メインなのでいつも通りとして、カルがあまり重視されていなかった印象なのが残念。ホントは伊藤社長的には、ここを一番力入れたかったんじゃないだろうか。募集の告知が遅すぎとか、コミケなんかとの兼ね合いでタイミングが微妙、といった事情はあるにせよ、はっきり言って参加者の関心が低すぎる気はする。

ミクさんはクリエイティブツールであり、そしてクリエイションによって生きる存在。クリエイター、なんて大仰な名前じゃなくても、ミクさんを通じて何か、ほんの小さな何かを作ること。それがミクさんに血を通わせ、ミクさんが未来へ向かう糧になるんだ、というそのことを、果たしてあの展示で伝えることができたろうか。それを感じ取ろうとした人がどれほどいただろうか。

初めての試みとしては、これは失敗、と言っても仕方ない。でもやめないで欲しい。せっかく先鞭を付けたのだから、じっくりとこの企画を育てて、いつかはボーカロイドを中心とした、参加型、双方向型の祭典として、ライブと並立できるイベントになったらいいな、と、心から思う。もちろんそれは、ボク自身も何らかの形で参加する、という自分への意思表明でもある。

劇場ビューイング含め、都合二日間のマジカルミライ。総じて言えばホントによかった。単に楽しかった、じゃなくて、いろいろ考えさせられる、――それも前向きに――いい機会だった思う。ステキな演奏をしてくれたバンドの皆さん、会場設営・運営に携わったスタッフの皆さん、すばらしいライブステージを作り上げたセガの皆さん、このような機会を設けてくれたクリプトンの皆さん、そのほか数限りない関係者の皆さんに感謝を。

そしてミクさんへ。ありがとう。これからもよろしくね。

マジカルミライ ~劇場ビューイング編

見るかどうか決めかねてたんだけど、やっぱり正面から見たらどう見えるのかが気になって映画館へ。八割程度の客入り。サイリウムを振る人は少なめ。当然着座。もちろんノリノリで見たい人もいるのだろうけれど、まったりじっくり見たいボクには好都合。

会場でサイドスクリーン見てたときも思ったのだけれど、やはり正面から見ると、実在感がすごい。

セガさんのミクさんたちの何がすごいかって、まずは重量感。しっかり体重があって、それも頭や手にちゃんと重みが感じられるという点。そしてそれが、"計算機上の" ではなく、ボクらと同じ "実際の" 重力に基づいて動いている、つまり "地に足が付いている" ように見える。さらに体幹が考慮されていて、単に歩く、という動作でも、足の力が地面に伝わり、その反作用として身体が移動する、という、いちいち説明するのも煩わしいような当たり前の身体全体の動きが、きちんと再現されている。逆に言えばそれがされていないと、操り人形みたいな動きになってしまうわけだ。

 次に細かい動き。マイクを持つ持ち方が、歌によって違ったりする。しっかり握ってたり三本指で持ってたり、小指を立ててたり。初期のミクさんライブでは、WIM で「その一」「その二」「その三」と歌うとき、指を一本二本三本と、それぞれ立てることができなかった、というのだから、今の手先指先表現の進歩たるや驚くべきものだ。

 そして忘れちゃいけない表情。『glow』の泣き出しそうな表情とか分かり易いけれど、視線の表現は特に細かい。そしてそれがいつも、ちゃんと客席を意識している。この点ですごくいいな、と思ったのが『Freely tomorrow』 とにかく視線を流す流す。顔を常に少し斜にして、まさに流し目の女王のごとく。いわゆる "アイドル" を意識した表現でどきどきする。

 いや、これね。いつもはナチュラルな感じで歌うミクさんが、「もっとアイドルらしく! こんな感じで!」と演技指導されて、すごく頑張ってアイドル的動きを演じているのだと、そんなことを勝手に想像してニヤニヤしていたわけなのですが。ちなみにこの曲でもマイクはアイドル持ちでしたね。

ということでこちらもあっという間の終演。じっとみていたつもりだけれど、気が付くとミクさんの歌声に頬を緩ませっぱなし、そしてミクさんのかわいい動きと表情を見て身体をもぞもぞさせぱなっしでした。

結論。ミクさんかわいい。ミクさん大好き!