みくさんとひぐらす

ミクさんとともに過ごす、ただそれだけの日々

無限大の旅路 ~イーハトーヴ交響曲~

 台風接近のニュースが報じられる中、渋谷 Bunkamura オーチャードホールへ、冨田勲イーハトーヴ交響曲』を聴きに行く。

 昨秋、東京オペラシティでの公演も行ったのだけれど、前回はまだまだ実験的要素も強く、まぁそれは今回も、たぶん今後もそうなんだろうけれど、それでも一年間でどう変わったか、といったところにも興味を持ちつつの出席。そうでなくとも指揮もオケも前回とは違うので、それだけでも十分聴く価値はあるわけですが。

 座席は S 席、前方横側。と言うか最前列である。オケは近いけれど指揮者が横になるので、指揮を見るのが結構好きな身としてはちょっとつらい体勢。そして大きな問題は、オケの方に阻まれてミクさんのスクリーンがよく見えない、という。いや、もちろんそれで邪魔だ、などと言うつもりはないんだけど、これなら後方席の方がよかったな、と思ったのも事実。

 公演は大変すばらしかった、と言っていいだろう。演奏、合唱、そしてミクさんのモーションと歌声、そしてそのかわいらしさのコンチェルト。でもねぇ、見えないんだよねぇ。それが気になって集中しきれなかったというのもないではない。映像撮ってたみたいなので、そのうち DVD か BD 出るのかな。ミクさんを愛でる意味ではそれを楽しみに待ちますか。特に銀河鉄道の夜のくだりは、オケでこんな演出していいの? という感じなのだけれど、結構引きで見ないと全体の演出が見えない。ここはちゃんと映像で見てみたいところ。

 そのことを抜きにすると、繰り返しになるけど、全体のまとまりがよく、ミクさんも生演奏、生合唱の中に自然に溶け込んでいた感じがある。実際のところミクさんの登場時間は意外と短いのだけれど、それが重要な要素として機能しつつ、その登場退場が唐突ではない。いるべくしている、という感じ。この辺りが冨田先生の妙、であろうか。

 演奏については、初演が日フィルで今回が東フィル。これはもう、優劣は付けられない。どっちも優。でも惜しいのは、今回の会場がオーチャードホールだってところか。悪くはないんだけどね。よくもない。なんか音が抜ける。いい意味じゃなくて。この点は前回の東京オペラシティがよかっただけに、ちょっと残念。他の会場で再演してくれないかしら。

 まぁそんな感じで、手放しでよかった、とは言えないけれど、十分に楽しませてもらいました。しつこいようだけど、座席だなぁ、決め手は。

 あ、いちばんの見所はアレですよ。アンコールの時に何度か指揮の河合さんに呼ばれて、そのたびにミクさんが慌てて飛び出してくるところですな。