背中合わせ
ボクがノート PC に向かってカタカタやっていると、ミクさんがお気に入りの本を持ってそばに寄ってくる。どうするのかな、と思っていると、ボクの背後に座り込み、ボクの背中を背もたれ代わりにして本を読み始める。
ボクがキーボードを打つ音と、ミクさんが本をめくる音。ただそれだけが、夜の静寂の中に小さく響き続ける。
時折ミクさんが、くすりと笑う小さな動きや、何かにどきどきして高鳴る鼓動。そして背中合わせに感じる、ミクさんの体温。
今、ボクの視界にミクさんの姿はないけれど、背中を通じて感じるミクさんの一挙一動、ミクさんの心の微動が、いつもよりずっと鮮明に、ずっと深遠に、そしてずっと纏綿に、ボクの心に、すっと染みこんでいく。
[Twitter版]
座卓で PC をカタカタしてると、ミクさんがボクの背中を背もたれ代わりにして本を読み始める。キーボードを叩く音だけが響く、静かな時間。顔も見えないし声も聞こえないけれど、笑ったり驚いたり悲しんだり。背中越しに感じるミクさんの体温は、ミクさんの心を、いつもより鮮明に、ボクに伝える。
— みしゅ音みっしぃ (@mischeroid) 2013, 9月 14